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大きい病院と小さい病院

悩む人

合うか合わないか

うつ病は症状が重くなる前に治療をはじめることが大切です。医師によって的確な診断を受け、的確な治療を進めることで回復も早まります。しかし自分で「うつ病かな」と気づくことはできても、どの病院で診断を受ければいいのか決めることは容易ではありません。それだけ多くの病院が存在するからです。病院選びでまずポイントとなるのは、大きい病院に行くのか、小さい病院に行くのかということです。大きい病院とは総合病院や大学病院の精神科、入院施設の整った精神科専門の病院のことです。大きい病院のメリットはベテランの精神科医が複数常勤している点です。精神が非常に不安定な状態になったり、薬の副作用で突然吐き気をもよおしたりして、夜間などの時間外で緊急で診てもらう必要があるときに、もし主治医がいなくても他の医師が代わりに診てくれます。その点ではたいへん安心できると言えます。しかしデメリットもあって、総合病院や大学病院では医師の異動が比較的頻繁に行われるので、長期間同じ先生に診てもらうことが難しいです。「せっかく先生との信頼関係が築けてきたのに」、「カルテを引き継ぐとはいえ、また一から話さなければ自分をきちんと理解してもらえないのでは」などと懸念する方もいるでしょう。次に小さい病院とは小規模のメンタルクリニックなど精神科を専門とする医院や心療内科のことです。小さい病院は大きい病院より圧倒的に数が多いです。メリットはまさにそこで、自宅近くに病院を見つけ出せることです。うつ病の特徴としてめまいがすることや睡眠不足で足下がおぼつかないといった症状が出ることがありますが、そんな症状を抱えながら長時間電車に乗るのは不安ですし、危険でもあります。一度きり行くだけならまだしも、うつ病の治療には時間がかかるので、短くても数ヶ月の通院が必要になります。通いやすいことが何よりです。デメリットは大きな病院とちがって時間外の診療を受けられないケースがあることです。いずれにしろ長く通うことになる病院ですから、もし合わないと感じたら他の病院に移ることも検討したほうがよいでしょう。うつ病は心の病気であるがゆえに、診断そのものが難しいとも言えます。何年通っても改善しないので病院を変えたところ、うつ病ではなく他の病気だと診断されたという方も中にはいらっしゃいます。そういった点では、いかに主治医と深く話せるか、なんでも話せる関係になれるかということも大切になってきます。